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もみの木が作る「心地よい空間」~音と光をやさしく包む自然の力~

【森のはなし】

今回はもう少し深く、もみの木が「音」と「光」に与える効果についてお話ししたいと思います。実際にもみの木を使ったお家にお住まいのお客様からよく聞かれるのが、「なんだか落ち着く」「疲れにくい」という感想。その秘密がここにあるんです。

もみの木が音を包み込む仕組み

表面の凸凹が生み出すマジック

もみの木の表面をよく見ると、細かな凸凹があることに気づきます。これは自然の木目による自然な凹凸なのですが、実はこれが音響効果に大きな役割を果たしているんです。

音には「波長の長い音」と「波長の短い音」があります。もみの木の表面の凸凹が、これらの音の波(音波)を適度に乱反射・吸収してくれるため、必要以上に音が響かず、耳障りな反響音が生まれにくいんです。

「うるさくない」空間の実現

実際にもみの木を使ったお部屋で過ごしてみると、その違いがよく分かります。

他の素材との違い:

  • コンクリートの壁:音が硬く反響する
  • 金属系の素材:音が鋭く跳ね返る
  • もみの木:音がやさしく包まれるように聞こえる

お客様からは「テレビの音が聞きやすくなった」「反響が優しく感じる」という声をよくいただきます。

自然の音との相性

興味深いことに、自然素材でできた楽器の音や自然の音は、人の心を落ち着かせる効果があると言われています。

心を落ち着かせる音の例:

  • 祭りの太鼓の音
  • 料理をする音
  • 川のせせらぎ
  • 風が葉を揺らす音

もみの木の空間では、こうした自然な音がより美しく響き、私たちの心に安らぎを与えてくれるんです。

光をやさしくコントロールする力

太陽光の成分を知る

太陽の光は、私たちが思っている以上に複雑な構成になっています

  • 可視光線:目に見える光
  • 紫外線(UV):殺菌効果があるが、浴びすぎると有害
  • 赤外線:温かさを感じる光

この中でも特に注意が必要なのが紫外線です。適度な量は健康に良いのですが、浴びすぎると肌にダメージを与えてしまいます。

もみの木の光学特性

ここで、もみの木の素晴らしい特性が発揮されます。

床や壁、天井は、モミの木の針葉は、入射する光(太陽光)を一部吸収し、一部を反射し、一部を透過する性質があるため、室内がまぶしすぎることがないんです。

光を反射しすぎる素材の問題:

  • 金属やガラス:強いまぶしさで目や脳にストレス
  • 白いタイル:光が鋭く反射して疲労感
  • 鏡面仕上げ:長時間いると目が疲れる

一方、自然界で「まぶしい」と感じるのは、実は水の反射くらいなものです。もみの木は、自然界の光環境に近い、やわらかな反射と吸収のバランスを作り出してくれるんです。

実際の体験談

お客様の声から

先日、もみの木をふんだんに使ったお家を建てさせていただいたお客様から、こんな感想をいただきました:

「最初は『木の効果』なんて半信半疑でしたが、実際に住んでみると本当に違うんです。夕方帰宅して電気をつけても目が疲れないし、家族との会話も自然と静かで落ち着いたトーンになりました。朝の自然光もまぶしすぎず、気持ちよく目覚められます」

五感すべてに働きかける素材

トータルな快適性

もみの木の魅力は、一つの要素だけでなく、音・光・触感・香りすべてにおいて、人の暮らしにやさしいということです。

五感への効果:

  • 触覚:やわらかな肌触り
  • 聴覚:音をやさしく包む
  • 視覚:目にやさしい光環境
  • 嗅覚:自然な木の香り
  • 全体:心身のリラックス効果

科学と感覚の一致

興味深いのは、科学的な裏付けと実際に住む人の感覚が見事に一致していることです。数値で表れる効果と、「なんとなく心地いい」という感覚が同じ方向を向いているんですね。

🌲 モミの木の場合

科学的知見住民・来訪者の実感
近赤外線(NIR)を強く反射して温度を抑える → 葉の温度上昇を防ぐ「森の中はひんやりして気持ちがいい」
「夏でも森に入ると涼しい」
フィトンチッド(テルペン類)の揮発による空気清浄作用「空気が澄んでいて深呼吸したくなる」
「頭がすっきりする感じがする」
針葉の構造により微粒子を吸着・空気中の粒子を減少「森の中の空気は街とは全然違う」
葉が紫外線や有害光を遮り、拡散光を地表に届ける「光は柔らかくて、まぶしくない」
「森の中は明るすぎず、落ち着く」
高いCO₂吸収能・蒸散冷却効果による気候緩和「森がある地域は暮らしやすい」「過ごしやすい気候」

未来の住まいづくりへ

健康を考えた住環境

これからの住まいづくりでは、単に「丈夫で長持ち」というだけでなく、「住む人の健康と心地よさ」がより重要になってくると思います。

もみの木のように、音と光をやさしくコントロールしてくれる自然素材は、そうした未来の住まいづくりに欠かせない存在になるでしょう。

まとめ

もみの木は、見た目の美しさや肌触りの良さだけでなく、音響効果や光学効果においても優れた特性を持つ、まさに「総合力の高い」自然素材です。

毎日の暮らしの中で、知らず知らずのうちに私たちの心と体を癒し、支えてくれている。そんなもみの木の力を、ぜひ多くの方に体験していただきたいと思います。

快適な住環境は、一日にして成らず。でも、良い素材を選ぶことで、確実に毎日の暮らしの質が向上します。もみの木が作る心地よい空間を、ぜひ体感してみてくださいね🏡💚

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